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No. 27 日本頭蓋顎顔面外科学会理事長に就任して〜機関誌英文化の意義と方策

 本学会の理事長に就任して1年が経ちました。本学会を活性化させ、日本中の形成外科医から注目を浴びる、先進的な学会に変貌していく為に、私は“4本の矢”を放ってきました。1)医育機関における指導者を中心とした代議員の拡充、2)HPの充実、学会スローガン、会員情報の電子化といった広報活動の活性化、3)専門医制度の変革、4)機関誌のオンライン&完全英文 journal 化を、各委員会とともに推し進めてきました。その中で、ここに、私の考える機関誌英文化の意義ならびに方策について述べます。

 国内学会誌の英文化は、研究内容をより多くの研究者、世界に発信できる大きな意義を有し、若い先生にはこれからより多くの英文業績が求められます。さらに、最近、PRS GO など、外国雑誌における日本人の英語論文採択の入り口が狭く、また有料化の傾向もあり、国内学会誌の英文化の流れは、今後ますます大きくなっていくことでしょう。将来的には、各学会機関誌は、原著、症例報告、手術手技を中心として掲載する英文電子ジャーナルとなり、総説・特集等は、雑誌形成外科やPEPARS等の和文商業誌や各種和文教科書に掲載される潮流になっていくこと存じます。

 このような理由より、形成外科領域における他学会に先駆けて、本学会機関誌の英文ジャーナル化を目指しました。手順としては、最初から、ネイティブではない日本人著者と査読者間の、英語だけのコミュニケーションによるやりとりでは、学会員からの論文投稿数の増加は見込まれず、また査読者にも大きな負担が生じること存じます。まずは、日本語論文形式で投稿して頂き、著者と査読者が十分に討議を行い、掲載に足る論文形式として完成させます。その後に、優れた論文として学会サポートによる英文化を行い、著者と査読者の確認の上で globalに公表する方向性です。そのため、今後掲載される論文は、従来の学会誌掲載より、ハードルはさらに高くなると考えております。

 日本の形成外科は、いつも変革、革新を目指す歴史を歩んできた診療科であると思います。私は、まだ、時代的に早すぎる試みかもしれませんが、日本における他診療科への先駆けの第1歩として、“今後の若い学会員の英語論文執筆を、国内学会自らがどのようにサポートしていくか”という大きな命題に対して、本学会から今回の提案をさせて頂きました。この試みは、失敗すれば消えていくし、成功すれば、今後多くの諸学会が、一つの模範として追随していくことになるかもしれません。それは、これからの歴史が判断を下すことになるでしょう。今後とも、本ミッションの実現に向けて、皆様のご協力、ご指導を賜りながら、前進して行きたく存じます。

2017年11月21日
山本有平

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