スタッフ

 教授挨拶  教室の歴史  年報  同門会 

No. 24 主任教授より 2016

 昨年、2015年というのは、我ら、北海道大学医学部形成外科学教室にとって大いなる記念すべき年でした。

 9月4日に、教室創立 50 周年記念祝賀会を開催いたしました。我が教室の記念日は、初代教授の大浦武彦先生が北海道大学医学部附属病院(現・北海道大学病院)において形成外科診療を開始された、1965年4月1日であります。それから50年という区切りを迎え、創成期の多くの先達がお元気な時に、記念祝賀会を執り行うことができるのは、とても喜ばしいことです。1年前より、教室内に準備委員会を発足させ、半年前には、歴代教授、同門会最高幹部、同門会会長をお迎えし、“御前会議”なるものを開いて、御重鎮方のお考えを伺いました。招待制とした案内状は、北海道大学、日形会、教育研修関連病院、同門会、教室関連の先生を中心に、200名を超える方々にお出しすることになりました。記念祝賀会の式次第についても、貴重なご意見を賜り、初代、2代、3代の“歴代教授揃い踏み”をご披露し、ご来賓挨拶は北海道大学より1名、日本形成外科学会より1名のみとさせて頂き、その意義をより深いものにさせて頂きました。祝賀会に先立って特別講演会を行う場合もありますが、この度は、学術と教育を主たる目的とする教室の存在意義を鑑みて、「半世紀の足跡:ACHIEVEMENT〜We are proud of us」と称した記念講演を行いました。その内容構成は、1部:主催学会、2部:臨床・基礎研究論文〜顔面外科、再建外科、腫瘍外科、基礎研究、3部:北大形成外科教育・育成プログラムから成るものとしました。これまでに、主催学会は全国学会を13回、国際学会を3回主催してきました。臨床・基礎研究論文は、臨床分野英文論文195編、基礎分野英文論文61編を発表しており、最多掲載された英文雑誌は、形成外科領域で最も高いIFを有す、PRS(米国形成外科学会誌)に44編でした。さて、私は祝賀会で振舞われるお料理とお酒も、重要な主役の一人であると考えています。幸い、教室スタッフにも食通、酒通がおり、皆で試食飲会を数回行いました。全国からお越し頂く方々には、日本が世界に誇る和食の素晴らしさを堪能して頂きたく、道産食材と道内蔵元の日本酒にこだわって準備しました。さらに、料理の器や盛り付け、そしてグラスや杯にまで、細かい注文を付けることとなり、ホテルの総料理長の頭を大いに悩ます次第になってしまいました。記念祝賀会は盛況のうちに無事終了しました。ご多忙の中、国内各地から多くの方々にご臨席賜り、北大形成外科が如何に深く愛されているかを実感することができ、深甚なる感謝の念で一杯です。この度の記念行事開催に際し、同門会、教育研修関連病院を始めとして多くの方々からご協力、ご支援を賜り、そのご厚情に心から感謝申し上げます。

 さて、昨年の当教室の主な活動として、第3回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会を主催いたしました。「想像を創造へ〜乳房再建 維新」というテーマを掲げ、乳腺外科医と形成外科医を中心に、全国から約800名の参加者を賜り、”Advance stage”と”Educative stage”という新たな試みの下に、盛会に終えることができました。ご協力いただいた関係各位の皆様方に心からお礼申し上げます。大学院におきましては、残念ながら学位取得者がおりませんでしたが、日本形成外科学会認定専門医は、新たに、佐藤千草先生、石川耕資先生の2名が取得しました。これから、各位の活躍を心から期待しています。

 最後になりますが、来年度より、日本専門医機構による新専門医制度がスタートします。まだ、不透明な部分も残されていますが、我々は、北大形成外科研修施設群を構成し、これからも、道内地域医療の益々の発展を目指して、一丸となって頑張っていきたく存じます。

2016年1月1日
山本有平

Previous<<< >>> Next