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No. 14 主任教授より 2011

 教室を主宰させて頂くようになり6年目の年は、これまでの激動の5年間に比べて、少し穏やかに時間が過ぎていった感じがします。大学スタッフの大きな移動はなく、教室員の海外留学先への表敬訪問の機会もありませんでした。その中で、これまでの業績が認められ、2010年6月より古川洋志先生、小山明彦先生が北海道大学病院診療准教授にプロモーションされたことが、非常に嬉しい出来事です。両先生の専門分野における、全国的そして国際的な今後の活躍を期待しています。

 さて、昨年の一大イベントとして、北海道形成外科フォーラム“北の大地”の立ち上げが挙げられます。北海道において形成外科診療が産声を上げ45年が経過し、これまでに、幾多の先達たちの努力により、多くの医療機関に形成外科が開設されてきました。本フォーラムは、北海道の形成外科診療のさらなる質の向上を目指し、札幌医科大学四ッ柳教授のご賛同を得て、北大形成外科と札幌医大形成外科がスクラムを組んで行う勉強会として発足しました。日本形成外科学会北海道地方会とは内容や形式を違え、形成外科診療の実践に直接役立つプログラムとして、1)ケーススタディ:術前計画・合併症〜症例検討、2)実践セミナー:手術ビデオ供覧、3)看護リポート:看護師発表会、4)教育パネル:日形会専門医合格者10症例報告、5)レクチャー:特別講演等を企画し、年1回の開催を予定しています。昨年は、6月26日にホテルオークラ札幌にて、北海道形成外科フォーラム“北の大地”2010と銘打って、これまで日本の形成外科の先頭に立ってリードして頂いた、杏林大学波利井清紀教授と東京女子医大野?幹弘名誉教授をお招きして開催致しました。両先生より「次世代の形成外科医たちへのメッセージ」と題した素晴らしい講演を賜り、このお二人を同じ時間、同じ場所に御呼びできた贅沢を堪能させて頂き、そして大いなる感動を覚えました。今後も素晴らしい勉強会になるように頑張っていきたいと存じます。

 学会活動におきましては、日本形成外科学会理事・専門医統括会議メンバーとして、日形会特定領域指導専門医制度の発足に参加し、最初のプロジェクトとして皮膚腫瘍外科指導専門医認定委員長として仕事をさせて頂きました。全国より多くの委員のご協力を得て、第19回日本形成外科学会基礎学術集会第2日目の 2010年9月17日に第1回教育セミナーを開催しました。来年度には、暫定措置による認定者を含めて約650名の皮膚腫瘍外科指導専門医が誕生する予定です。また、渉外・広報委員長として、多数の優秀なブレーンを得て日形会ホームページのリニューアルを遂行し、本年1月1日に一般公開しました。他の医学会のホームページに負けない自信作でありますので、会員の方のみならず、一般の方や研修医・医学生の方にも是非ご覧になって頂きたく存じます。日本創傷外科学会におきましては、機関誌編集委員長として、形成外科領域では初めての試みとなる学会誌「創傷」を電子ジャーナルとして発刊致しました。記念すべき Vol.1, No.1は、巻頭言2編、総説3編、原著2編、症例報告2編の構成で 2010年4月1日に刊行し、国内外より多くのアクセスを頂き好評を得ております。年4巻発行の予定で、今後も益々充実した内容の学術誌を目指して頑張っていきたいと存じます。

 最後になりますが、この度、私が会長として北海道大学医学部形成外科学教室が全国学会を主催させて頂く機会を賜りました。本年 7月には第3回日本創傷外科学会を、そして来年 6月には第28回日本皮膚悪性腫瘍学会を、札幌にて開催致します。当教室員ならびに同門会員と共に、実り多い学術集会となるよう準備を進めておりますので、皆様方の御指導、御協力を賜れば幸甚に存じます。何卒ご高配のほど宜しくお願い申し上げます。

2011年1月1日
山本有平

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