形成外科診療において、各分野の治療成績の向上や高度先進的医療の推進のために、関連する各診療科とのチーム医療は極めて重要です。これまでにも、歯学部臨床各科と共同した唇顎口蓋裂症例に対する頭蓋顎顔面外科治療、耳鼻咽喉科、消化器外科、および脳神経外科と共同した頭頚部再建外科治療、移植置換外科と共同した生体肝移植治療等、多くの分野において高度先進的なチーム医療・チームサージャリーを行い、国内外から非常に高い評価を得てきました。集学的外科治療における治療成績は、生命的予後に関する成績と Quality of Lifeの面から捉えた機能的・整容的再建に対する評価から成り立ちます。今後、機能・整容面における定量的な術後評価法を確立していくため、関連する診療科の御協力の下、各分野における術後 follow-up 外来や特殊外来の充実さらに新たに設立していくことを目指したいと考えます。
さらに、チーム医療・チームサージャリーの福音を、より多くの患者さんに提供するためには、マイクロサージャリーを用いた微小血管吻合術および皮弁・再建外科の知識、技術そして経験を兼ね備えた優秀な再建外科医を数多く育成し、将来的には、より高度な機能的、整容的再建を目指した部位別再建外科医というエキスパートを育成するトレーニングシステムを樹立していきたいと考えています。
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