私は、大学医学部教室に求められる教育・研究及び診療の3本の “矢” は密接なトライアングルを形成すると考えます。基礎及び臨床研究における“仮説の提起そして実証”さらに “対象と方法の設定そして結果に対する考察” という主体性をもった研究姿勢は指導者の教育により誕生し啓発されていきます。そして、得られた基礎及び臨床研究の成果が、高度先進的な医療として、診療の場で患者さんに提供されることが、医学の最大の目的です。そのためには、高度な医療技術のみならず、 “癒しの心” を精神的に兼ね備えた良き医師を育て、診療の場に送り出していく教育が極めて重要となります。この教育・研究及び診療の3本の “矢” は、どれか1本でも折れることは許されず、格言にもあるように、3本の “矢” が協調することで、より素晴らしい結果が得られると信じています。
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