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No. 3 これまでの活動概要:診療

 私は、北海道大学医学部附属病院、道内関連病院にて一般形成外科の診療および東京大学医学部附属病院にて麻酔・救急治療の診療を行いました。日本形成外科学会専門医取得後、美唄労災病院へ形成外科科長として勤務し、この間、脊髄損傷患者の褥瘡に対する外科的治療に関した診療に積極的に従事し、看護・介護体制や術後リハビリテーションを含めた褥瘡の総合的な診療体系の充実に努めました。その後、米国アラバマ州立大学へ留学し、悪性腫瘍切除後や重症外傷後の再建外科学を勉強する機会に恵まれ、帰国後は、自家複合組織移植および微小血行再建による機能的・整容的再建外科を専門分野として、北海道大学病院形成外科の外来・病棟患者の診療に従事してきました。特に、マイクロサージャリーの技術を応用した遊離複合組織移植術ならびに微小血行再建術は、頭頚部外科、消化器外科、乳腺外科、耳鼻咽喉科、口腔外科、脳神経外科、整形外科、移植置換外科等、複数の診療科との協同手術の再建分野において、重要な役割を果たしており、これまで400余例の協同手術に参加してきました。さらに、皮膚軟部悪性腫瘍の集学的治療では、診断・外科治療・化学療法を総合的に行い、Sentinel Lymph Node Biopsy や腫瘍細胞の抗癌薬感受性試験の導入に尽力し、一層の治療成績の向上を目指した腫瘍専門外来を担当しました。また、熱傷、交通外傷、顔面骨骨折、褥瘡、難治性潰瘍、小耳症、顎顔面発育不全等の一般形成外科疾患の診療に加え、高度先進的な手術手技が必要とされる、乳房再建、顔面神経麻痺およびリンパ浮腫等の治療に対し積極的に取り組み、道内全域からの上記疾患に悩む患者さんの診療に従事しております。

 これまでに、北海道大学医学部附属病院(現北海道大学病院)にて、病棟医長(平成7年より6年間)、外来医長(平成13年より2年間)および診療科長(平成15年より現在継続中)を務め、その間、形成外科領域におけるクリニカルパスの作成、ICD10対応標準病名の導入、医員(研修医)採用試験面接担当委員および病棟・外来看護師と協力しながら診療業務内容の改善や医療安全の推進に努めてきました。以上の診療実績より、日本形成外科学会専門医・評議員、日本マイクロサージャリー学会評議員、日本頭蓋顎顔面外科学会評議員、日本皮膚悪性腫瘍学会評議員、米国形成外科学会corresponding member、国際マイクロサージャリー学会active memberに認定されております。平成13年には、日本形成外科学会臨床研究部門学術奨励賞を受賞し、同年の欧州癌研究所ワークショップに招待され頭頚部癌再建患者の臨床に関する特別講演を行っております。これらに加えて、平成9,12,15年度の計3回にわたり、文部科学省学術国際局より国際研究集会派遣研究員に任命され、これまでの診療実績・臨床研究の成果を海外にて報告しております。

 以上が、私の“診療”に関するこれまでの活動概要です。

2005年9月28日
山本有平

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