No. 38 主任教授より 2023 |
2022年4月より、GMとして教室をしっかりとまとめて頂いている、舟山恵美医学研究院准教授・病院診療教授を除いて、教室運営を担う教員スタッフに大きな動きがありました。前田 拓先生が病院講師・診療准教授に、石川耕資先生が医学研究院助教に配置換・病院診療講師に昇任されました。そして、三浦隆洋先生が病院助教に採用され、新しいメンバーとして加わりました。皆様方には非常に若返りの感を持たれることと存じます。ここで、私から、この3名の新スタッフを始めとして、これからの将来を担っていく若い教室員達に次の言葉を贈りたいと思います。 〜自信には2種類ある。若く、経験の無い者は、自信が無ければ何もできない。“自分は出来る”という自信を持つ事により、新しい事に挑戦できる。そして、齢を重ねていく事により、“本当の自信”というものは、経験からこそ得るものだと分かる。それぞれ、自信を持って、診療・研究・教育業務に幅広く頑張って下さい、大いに期待しております。 大学院におきましては、三浦隆洋先生、草島英梨香先生が卒業され、博士(医学)学位を取得しました。また、新たに、石井 陸先生、佐々木雄輝先生、竹田朋弘先生が、立派な成績で日本形成外科学会認定専門医を取得しました。是非ともさらなる精進を重ねて下さい。 さて、昨年8月、札幌にて開催された、第4回Wound bed preparation研究会では、ご多忙の中、同門から輩出された、筑波大学形成外科 関堂 充教授、福島医科大学形成外科 小山明彦教授、愛知医科大学形成外科 古川洋志教授、旭川医科大学形成外科 林 利彦教授、全員が参加され、同門の絆をさらに深める機会を得ることができました。嬉しい限りでございます。 そして9月22〜23日には、私が北海道大学形成外科教授として、最後の全国学会開催の勤となる、第45回日本美容外科学会総会・第145回学術集会を主催致しました。これまで、本学会総会を主催いたしますのは、1991年に大浦武彦名誉会員が主催した第14回、2007年に新冨芳尚最高顧問が主催した第30回、2017年に野平久仁彦会長が主催した第40回以来、4回目となり、北海道大学医学部形成外科同門会にとりまして大いなる誉でございます。ここで、本会会期中に行われた、社員懇親会における自身の会長挨拶から、一部抜粋させて頂きたく存じます。 〜昨年形成外科を選択科実習とした医学生より提出された、非常に印象深いレポートを紹介いたします。 “成績が下がる事を開き直った上で言うと、形成外科の認知度はあまり高くない。その理由の一つに、美容外科分野において、「美容整形」などという言葉の誤用が多い点が挙げられる。美容診療を行うことを「整形する」と言うくらい、整形外科と混同する一因になっている。今後訂正していくのは非常に困難であると思えるが、正しい認識を広める努力も必要になると考える。” このように、我が国では、美容外科分野において、マスコミを中心として、“美容整形”という言葉が頻用され、広く市民権を得ています。一般の方々は、美容診療を受けること、イコール“整形する”と言われている現状があります。私は、形成外科医を志して、蘇春堂の新冨芳尚先生と野平久仁彦先生の下で美容外科を勉強する機会を得て、その後、北海道大学病院で整容・美容外科を開設しました。その過程で、絶えず思ってきた事があります。それは、世の中の多くの人達が、色々なsurgical & non-surgical施術を受けて美しくなっていく、若返っていく治療、それを包括した呼称は、“美容整形”ではなく、“美容形成”が最もふさわしいのではないか? 今後、将来において“美容形成”という言葉が、広く社会に浸透していく時代になる事を願い、この度、私は、本総会・学術集会のシンボルロゴとして、非常にシンプルな4文字“美容形成”を掲げました。さらに、これからの新たな専門医制度に向けて、美容外科が形成外科の真の2階立てに位置していく強い思いも込めております。 おかげさまをもちまして、学術集会は大いなる成功を収める事ができました。多くの方々からご協力、ご支援を賜り、そのご厚情に心から感謝申し上げます。 |
2023年1月1日 |