No. 33 祝:古川洋志新教授 〜“かけがえのない素晴らしい刻” |
この度、2019年4月1日付で、当教室で育った古川洋志先生が、学校法人愛知医科大学形成外科教授に就任いたしました。 私が主任教授として教室を主宰してから、筑波大学形成外科関堂 充教授そして福島医科大学形成外科小山明彦教授に続く、3人目の教授誕生です。また、前年には、同門の一員である、森 弘樹先生が、東京医科歯科大学形成外科主任教授に就任されております。 私が専門とする臨床分野である再建外科において、古川洋志先生は、筑波大学の関堂教授と共に私の愛弟子と言えます。これまで、教室のカンファレンス、大学病院の手術室、全国の学会等において、教室員の中でも、最も長く一緒に過ごして来ました。それは、私の人生において、かけがえのない素晴らしい刻でした。 2004年10月、彼は、留学先の米国テキサス大学MD Anderson癌センターから帰学しました。当時の形成外科領域は、血流研究や穿通枝皮弁が全盛期でしたが、私は、来るべき次の時流を見据えて、彼と共に、教室の研究の大きなテーマに、“神経とリンパ”を掲げました。具体的には、基礎研究は顔面神経、臨床研究はリンパ浮腫です。その後、彼は学会で次第に頭角を表し、多くの優れた業績を重ね、私は先輩として、指導者として、彼の学人としての成長を見るのがとても嬉しく、誇らしかった事が思い出されます。 これまで、 “腫瘍再建の古川”と“顎顔面の小山”という2枚看板が、GM(医局長)として、北海道大学医学部形成外科学教室を長く立派に支えてきてくれました。その彼らが、日形会における次世代の教授候補へと成長し、幾多の試練に打ち勝ち、見事に大願を成就してくれた事に、教室の主宰者として、そして人生における親友として心よりお祝いを申し上げます。これからは、関堂教授、小山教授、森教授、そして古川教授、4人の同門のリーダーが力を合わせて、次世代の形成外科を背負って行って欲しいと祈念いたします。 結びに、彼が教授になるために大いに尽くされて来た奥様が、ご病気により彼の教授就任の前年に早世され、彼の晴れ姿を見ることができなかった事が唯一の心残りです。ご冥福をお祈りしております。 |
2019年4月1日 |