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No. 35 主任教授より 2021

 2020年は、これまで想像さえ出来なかったコロナ禍の一年でした。

 この時が滞った昨年10月に、国立大学法人旭川医科大学に形成外科教室が新設されることが決定し、当教室より林 利彦先生が、本年1月1日付で主任教授に就任されました。この度の人事により、筑波大学形成外科 関堂 充教授、福島医科大学形成外科 小山明彦教授、東京医科歯科大学形成外科 森 弘樹教授、愛知医科大学形成外科 古川洋志教授に続いて、北海道大学形成外科同門より5人の教授が誕生しました。北海道内の医育機関に形成外科教室を開設することは、北海道大学医学部形成外科教室・同門会の長年の悲願でありました。それを達成することができた喜びを分かつと共に、道内における形成外科学教育ならびに形成外科診療のさらなる発展に大きな責任を持つものと、身の引き締まる思いであります。

 さて、大学院におきましては、高橋周子先生が卒業され、博士(医学)学位を取得しました。また、日本形成外科学会認定専門医は、新たに、星野善允先生、開田ひろみ先生が、立派な成績で取得しました。これからの各位の活躍を大いに期待しています。

 昨年11月には、形成外科フォーラム「遠友學舎」を福島にて開催しました。學舎長として、北海道大学、筑波大学、福島県立医科大学、愛知医科大学の4大学の形成外科教室が交歓する会として企画しました。一つの「学び舎」から羽ばたいた「遠くの友」が集い、多くの仲間と交流・親睦を深め、次世代の人材を育み、未来の形成外科の発展を目指す〜北海道大学2期生新渡戸稲造先生の精神を承けた集いの場です。小山明彦会長のご高配により、学術セクションでは、若者を中心とした活発な意見交換がなされ、その後に、温泉に浸かりながら親睦を深め合い、大変意義深い会となりました。

 今年度には、6名の新たな教室員が我々の仲間になります。これからも、日本の形成外科診療ならびに教室の発展の為に、益々のご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。

 結びに、令和2年12月11日、病気療養中でありました北海道大学医学部形成外科学教室2代主任教授杉原平樹先生がご逝去されました。ご闘病中の杉原先生に、前述の旭川医大の件をご報告することができ、下記の心温まるメールを先生から頂きました。先生から私への最後のエールとして、大事に心に残していきたいと存じます。

 “山本 有平 教授 侍史
 林 利彦 先生の旭川医大形成外科初代教授候補者へのご指名誠におめでとうございます。これも偏に、卓越したご先生の薫陶の賜物と存じます。
 ご返事が遅れ大変申し訳ありません。ご承知のとおり現在闘病中の身で、緩和医療病棟をも考慮中の状況で長い文章は書けませんので無礼をお許しください。
 山本教授の益々ご健勝にてのご活躍と、林先生はじめ教室同門の更なる発展を心からお祈り申し上げます。
                                     北海道大学名誉教授 杉原 平樹”

 先生の長年にわたるご功績に敬意を表し、また多大なるご貢献に深く感謝致します。北海道大学医学部形成外科学教室を代表し、ここに衷心よりご冥福をお祈りして、追悼の言葉を供します。

2021年1月1日
山本有平

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