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なるほど!形成外科(8)

床ずれ 化膿
〜 内科、循環器...チームで治療 〜

 病院には何カ月や何年も傷が治らないで、入院や通院、在宅治療をされている患者さんがたくさんいます。寝たきりのお年寄りや車いすで生活されている方は、自分の体重がかかりやすい、お尻や太ももの付け根の当たりに床ずれ(褥瘡)ができることがあり、一度できるととても治りにくい傷です。
 食生活の欧米化が進み、糖尿病や全身の血管が細くなって血液が詰まりやすくなる病気も非常に増えています。このような病気を持つ方は、足に傷ができると化膿しやすく、傷が大きくなる傾向があります。ひどくなると足の趾、ひざ、太ももを切断しなければなりません。
 治りにくい傷の治療は、最初にその原因を正しく判断して、それを取り除くことが重要です。床ずれの場合は、患者さんの栄養状態や傷にかかる圧迫、擦れの状態を改善することが必要です。
 足の化膿の場合は、糖尿病の治療や、足の血の巡りを改善する治療が必要になります。その上で、傷が治るための適切な塗り薬や貼り薬を使用し、必要な場合には皮膚移植等の形成外科手術を行います。さらに一度治った傷が再びできないように特殊なマットやベッド、車いす、オーダーメードの靴など、日常生活における予防・指導もとても大事です。
 形成外科の医師は、このような治療を内科、循環器科、血管外科、そしてナースと協力してチーム医療として行っています。
 「きれいに傷を治す」、そして「治りにくい傷を治す」という二つのキーワードがありますが、これこそがプロフェッショナルの技術を持つ形成外科医ならではの治療なのです。(山本有平)

イラスト・前橋康博

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