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なるほど!形成外科(3)

生まれつきの変形
〜 心のケアも含めて治療 〜

 形成外科が治している病気の一つに生まれついての変形があります。顔や手足など、見えるところに生まれつきの変形を持つお子さんを持たれたご両親の気持ちはいかなるものでしょう。そのような親御さんたちの心のケアを含めて治療に当たっているのが形成外科の医師と看護師です。
 生まれついての変形で、とても多いものに唇が裂けている病気があります(唇裂)。重症な子供では歯茎や口の中までつながって裂けています(口蓋裂)。形成外科医が中心となり、歯科や耳鼻科の医師と一緒に治療を行います。成人になるまでに数回の形成外科手術が必要で、唇、上あご、鼻の形を整え、歯のかみ合わせも治していきます。
 生まれついて耳の形が崩れていたり、耳たぶしかない子供も多くいます(小耳症)。そのような子供たちは耳の聞こえが悪かったり、眼鏡をかけることができない場合があります。そのため耳鼻科の医師と相談しながら、適切な時期に形成外科手術を行います。自分の胸からやわらかい骨(軟骨)をとってきて、それを耳に埋め込んで形を作ることもあります。
 手や足の指が多かったり(多指症)、少なかったりする子供もいます。手や足の変形は見た目だけではなく、ものを握ったり、歩いて走ったりする運動にも大きな不便を生じます。そのため筋肉や腱を含めた形成外科手術が必要になります。重症な場合には整形外科の医師と協力して手術を行います。
 形成外科はこのほかにも胸、乳首、おへそ、おちんちんなど、体の見えるところに変形を持つ子供の病気を治します。この治療を通して子供たちが幼稚園や学校といった社会生活を普通に送れるように精神的なサポートをしています。(山本有平)

イラスト・前橋康博

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